漢方の外来をしていると
「ステロイドだけは使いたくない」と希望される方もいらっしゃいます。
私は自分自身も少しアトピー性皮膚炎をもっているので
冬の時期などは乾燥するとかゆくなることがあります。
保湿をしなかったり、うっかり搔いてしまうこともあって、
花粉の時期に肌荒れすることもあります。
なので私自身は必要なときはステロイド外用薬も使っています。
どうしても使いたくない、という方には
皮膚炎があるところはバリアが崩れていて、
新しいアレルギーを起こしやすい状態であることや
かゆくて掻いて、悪化するからまたかゆくて掻いてというサイクルからは早く出た方がよいことをお話ししたりしていますが、
アトピービジネス、といわれるような高額な商品を購入した挙句にひどい状況になって大学病院でみたような患者さんのことを思うと、
まず生活の見直しと漢方から始めてみるということもあることはあります。
ステロイド外用薬で大切なことは
ぬり方
です。
皮膚用薬（塗り薬）ってどのくらいの量を塗るのがいいの？｜ひふ研｜第一三共ヘルスケア
ぬるとよくなるけど、繰り返してしまうとき、
プロアクティブ療法という塗り方があります。
そして症状にあったランクのステロイド外用薬を使うことが大切です。
山火事を消火器で消すことはできないように
重症の湿疹を弱すぎる薬で抑えようとしても治らずかえってこじれてしまうこともあります。
ぬってもよくならないとき、
薬の強さ、種類は合っているか？
（とびひやカポジ水痘様発疹症のときはステロイドは逆効果になります。）
ぬり方、やめるタイミング
これらを考える必要があるかもしれません。
しっかり炎症を抑えると、早めにステロイド以外の薬に切り替えられることもあります。
ぜひ症状が安定していても外用のコツをつかむまでは定期的にかかってみてくださいね。
そうすると少しずつ治療のステップが進んでいくことになるかもしれません。
セルフマネジメントが長期間できるようになると、
治療間隔があいてもよい状態を保たれている方もいらっしゃいます。
皮膚科は皮膚の勉強塾のようなものだと思って、
分からないことなどは聞いてみて下さいね。
