顔の皮膚炎 ③ 酒さ
こんにちは。
酒さのこと、今日は書いていきますね(^^♪
酒さがコロナ禍で増えた皮膚疾患かどうかはわかりませんが、
診させてもらう機会が増えたと感じる疾患の一つです。
顔の皮膚炎などと関連する常在菌が3つあります。
①アクネ菌などの細菌
②マラセチア
③毛包虫
ニキビなら①
脂漏性湿疹なら②
酒さなら③
が主に関与すると考えられています。
酒さはお酒をたくさん飲む方が赤ら顔になる、というイメージがあると思いますが、そこに疾患名が由来しています。
お顔が赤くなる
ブツブツする
鼻の形がもりあがってくる
目が充血することもある
といった症状がみられます。
酒さの治療は今までは③に対応する保険がきくお薬があまりなかったので、
一般的に皮膚科では
イオウ製剤や自費のお薬、①や②の薬や炎症を抑える薬の組み合わせなどで治療をされていました。
私もそこに漢方を併用したりしていました。
昨年6月に、今まで自費で処方されることが多かった薬が保険診療で使えるようになりました。
メドロニダゾールという薬で商品名をロゼックスといいます。
ブツブツした症状に有効性が高いとされ、
赤みには徐々に効くとされています。
刺激がでることもあるので、塗って余計に赤くなることがあったら
ぬるのをやめて受診しましょう。
長年、酒さにお困りだったという方を診る機会が多かったためか、
漢方的には「お血」という状態を伴っているかたが多いと感じています。
「難病の背景には必ずお血というものがある」と山本巌先生の言葉がありますが、
気血水のバランスが長くくずれていると、お血という血の巡りの悪い状態になります。
また酒さは月経にともなって悪化したり、更年期のほてりのような症状をともなったりすることもあります。
この月経の問題もお血が関連すると考えられていることからも、
酒さとお血は関係があることが多いといえるのだと思います。
これは前回お伝えした
食事
睡眠
運動
ももちろん関係しますね。
そしてニキビと酒さは排便障害をともなっていることも多いです。
ニキビもお血が関係するかたはいるのですが、酒さはよりお血の関与がある方が多いように思います。
治療は先ほど書いた外用薬や毛穴の炎症を抑える内服薬(抗生剤や抗アレルギー剤)などを使い、場合によっては漢方も使っています。
長年、治療がうまくいかなくて悩んでいた方も多かったので、
そんなときはお血もあるのかな?
上にかいてあるようなことで当てはまることがもしあったら、
気を付けてみてもよいかもしれません。
薬も組み合わせることによって、治療効果が増すこともありますので、
皮膚科専門医などにまずかかってみると良いと思います。
一般的な治療で良くならなかった方、漢方治療もしたい方、
酒さの方も清熱剤をずっと使われて冷えを来していた方も多いので、
漢方専門医を探してかかってみてもよいかもしれません。