コロナ禍で増えた皮膚疾患② 顔の皮膚炎

マスクで肌荒れしたこと書きましたが、

顔の皮膚炎で悩む方も増えました。

 

マスクでこすれることや蒸れて皮膚バリアが崩れること、

これからの季節は花粉やPM2.5,黄沙や紫外線など

皮膚にとっては過酷な状況になります。

 

そんな肌が赤い、かゆい、ガサガサするときには、

最初にステロイド外用薬が処方されることが多いと思います。

 

ステロイド外用薬については正しい知識と使い方をすることが、特に顔では大切なります。なぜなのかは、また改めて書きますね。

 

たいていの場合、1週間くらい症状に応じた強さのステロイド外用薬を使用して、

1週間以内に再診してもらい、1週間後からはステロイドではない薬に変えていきます。

その後の減らし方については、また改めて書きますが、

すっと治る人と何度も繰り返してしまう人ではぬり方を変えることを説明しています。

 

🍀よく聞かれる質問に、

①化粧水などがしみるけど使ってよいか?

②日焼け止めはぬっってもよい?

③お化粧はしてもよい?

などがあります。

 

私が普段お答えしているのは

肌荒れしているときは皮膚バリアが崩れているので、

普段しみない化粧品からも刺激を受けてしまうことがあります。

薬をぬるところは化粧水などは使わず、薬を直接ぬって

乾燥する時は、プロペトなどで保護するようにしてます。

 

②塗り薬の上から、伸ばすのではなく、抑えるように日焼け止めをぬるのがおススメ。

紫外線吸収剤が入っていない低刺激の日焼け止めで、サンプルなどで使用感を確かめて良かった使ってもらうなど。

③基本的にはOK。抑えるようにしてぬった薬が伸びないようにお化粧する。

お化粧すると調子が悪くなる場合は、控えてもらいますが、大丈夫な方が多い。

 

 

🍀顔の皮膚炎~漢方~

漢方的には、コロナ禍で社会全体でストレスが増えたため、

気血水の気の異常がみられることが増えました。

気血水については

https://blog.hatena.ne.jp/Hifu_cafe/hifu-cafe.hatenablog.com/edit?entry=4207112889959634687

こちらで書いています。

 

気はめぐって行き届いて役割を果たすのですが、

その気の巡りが、逆流して下から上に上がるような『気逆』といわれる状況になると、

顔がのぼせたり、赤くなったりしやすくなります。

 

のぼせや皮膚の赤みは『熱』ととらえられて、清熱剤という熱を冷ます漢方を使うこともあれば、『気逆』によるものとして理気剤という気のめぐりを整える漢方を使うこともあります。

挙げだせば、お血や裏寒などほかの原因でものぼせや皮膚の赤みは出ることもあるので、本当に合った漢方を探すとなると、皮膚だけ診るのではなく、その人全体をみて考えていく必要があります。

 

たまに何年も顔の皮膚炎が続いているといって、ずっと清熱剤を処方されて飲んでいた方がいらしゃいます。診させてもらうと、気逆があって虚証という、体力のあまりない方のことがあり、冷えていて、清熱剤を中止して気逆の薬にかえると赤みもほてりも楽になったということもあります。

 

漢方は長く飲まないと効かないの?

と聞かれることも多いです。

 

私は2週間~1か月くらいの短いスパンで効果判定することが多いです。

判定の仕方は皮膚症状だけではないので、ご自分での判断は難しいとは思いますが、

何にも改善していない、ということは、その漢方が合っていればないと考えています。

 

内服が不要になるのには、ある程度の時間がかかることが多いですが、

(それは西洋薬でも同じですね)

効果の現れる時期はそんなに長くはないはず。

 

漢方飲んでもあまり変わらない、と感じたときには、

本当にその漢方が自分に合っているか?というのを

再検討する必要があります。

 

最近、漢方が注目されて、市場で足りなくなるくらいになっているのですが、

本当に合う合わないをちゃんと考えて使わないといけない場合もあるので、

その辺りの啓蒙が必要だとメーカーさんともお話ししています。

 

もし漢方飲んでも、効果がはっきりしないなぁという場合は、

一度漢方専門医にかかって相談してみてもよいかもしれません。

 

次回は顔の皮膚炎、特に酒さについて書きたいと思います。