コロナ禍で増えた皮膚疾患① ニキビ(ざ瘡)

小顔マスクが、

つけ心地もよかったので、数日付けたら、

日に日にがさがさに・・・( ;∀;)

不織布をつけると、ガサガサになるので

布マスクの上に不織布マスクを重ねています。

 

 

マスクが日常になり、ニキビの来院数が増えました。

ニキビは顔にできやすいことから、

そのストレスは大きい方も少なくありません。

 

なぜマスクをしているとニキビが増えるのか、というと、

中学生の時など前髪のかかるおでこのニキビが治りにくくなかったですか?

マスクは、前髪がかかっているのと同じような状況になると考えられるんです。

 

海外のデータで、マスクをしているとマスクに覆われていない顔の部分も皮脂が増えた、というデータもあります。

 

🍀ニキビのできかた🍀

①皮脂が増えると毛穴はつまりやすくなり

 

②毛穴がつまると皮脂は出ていけなくなり

 空気は毛穴に入りにくくなります。

 

③皮脂がたまると毛穴は膨らみ

 空気が必要な美肌菌は空気の入ってこない毛穴では生きていけなくなります。

 アクネ菌は空気がなくても生きていけるので、アクネ菌ばかりどんどん増えます。

 

アクネ菌はたまった皮脂を分解して、その分解された皮脂によって炎症が起こります。

 

③の状態が、炎症はないけど毛穴がつまってぷくっと膨れている状態です。

④の状態は、赤ニキビといわれる状態です。

 

③も④もニキビ痕になる可能性があり、

ニキビ痕はなかなか治療が難しいので、

(私も頬ににきび痕があります)

この毛穴のつまりをとる、というのが炎症をとると同じように大切になります。

🍀治療🍀

ニキビの塗り薬には

毛穴のつまりを表面からとるBPO

毛穴のつまりを内側からつまりにくくするアダパレン

炎症をとる抗菌薬

があります。

新しくできるニキビがどのくらいあるか、どのくらいの期間使っているかなどを考慮して、外用薬を調整しています。

 

毛穴のつまりをとる薬は使い始めて2~4週間はひりひりしたり赤くなったりしやすいこともありますし、

ニキビの治療は落ち着くまで、定期的に通院されるとよいです(^^)

 

🍀漢方🍀

漢方はニキビの炎症の深さや強さ、硬さ、生理前に悪化するか、生理痛などがあるか、などを考慮して選んでいます。

1か月くらいを目安に効果を確認しながら調節しています。

 

生理痛がある方などは、生理が改善されてからニキビが改善することもあるので、

すぐにニキビが良くなっていなくても、生理痛がよくなっていたら継続すると

3か月程度でニキビも改善してくることがあります。

 

そんな経過をみていると、皮膚は体調と関連するのだなぁと実感します。

 

漢方によっては併用していた場合は併用しなかった場合より

塗り薬の刺激が出にくかったという報告もありますし、

塗り薬が刺激あって、どれも使えない場合も漢方薬は一つの選択肢として有用と感じています。

抗生剤(抗生物質)は長く飲んでいると耐性菌の問題がありますが、

漢方には耐性菌の問題はないというのもメリットです。

ただ、人によっては合う合わないということがあるので、

種類によっては肝臓の機能などを確認した方がよいものもあります。

漢方の副作用については、まだあまり認知されていない部分もあるので、

しばらく飲む必要がある場合は、漢方専門医(日本東洋医学会で登録されています)にご相談されるのもよいと思います。

 

 

次回はコロナ禍で増えた皮膚疾患② 顔の皮膚炎について書いていきたいと思います。